若手社員の「企業型DC」運用について③

「企業型確定拠出年金(企業型DC)」の商品を選ぶだけでも色々と考えさせられることがありますよね。今回は投資信託の「手数料」と「規模(大きさ)」という側面から考えていきます。

目次

ポイント

「信託報酬」と「純資産総額」から商品選定を考えます。初めて聞く単語かもしれませんが大丈夫です。難しくありませんから。今回のポイントは以下の通りです。

・「信託報酬」は「0.3%」以下の商品を選ぶ
・「純資産総額」は「50億円」以上の商品を選ぶ

「信託報酬」と「純資産総額」の判断基準値

「信託報酬」について

「信託報酬」とは、投資信託を管理・運用してもらうための経費であり、運用期間中はずっと支払い続けるものです。

注意してもらいたいのは、これは皆さんの保有残高から「別途経費」として差し引かれるという意味ではありません。そこは誤解しないでください(たまに勘違いされている方がいらっしゃいます)。日々公表される基準価額は、すでに「信託報酬」が差し引かれています。つまり基準価格は、皆さんが「信託報酬」を負担した後に、毎日決定するという仕組みになっており、皆さんが負担していることに変わりありません。

※ちなみに「企業型DC」の「口座管理費用」という経費は保有残高とは関係なく、毎月、別途会社が負担してくれています。知らない人も多いと思いますのでお伝えしておきます。

話を戻しますが、保有残高が大きくなればなるほど「信託報酬」も大きくなり、当然にリターンへの影響も大きくなります。前回お話しした通り、「インデックス型」は特定の指数と同じ値動きを目指し、機械的・均一的に売買するので、運用方法自体は各社ともほぼ同じであり、そのことでの差はつきにくいです。リターンに差が出る一番の要因は「信託報酬」の違いと言っていいと思います。

「つみたてNISA」等で低コストの「インデックス型」商品を長期の資産形成の柱に据える金融庁の政策もあり、ここ数年で「インデックス型」商品の「信託報酬」は劇的に安くなりました。巷には低コストの優良な「インデックス型」商品が多数あるのが現状です。そのような環境下ですので皆さんの「企業型DC」商品も、昔の高い「信託報酬」のままの商品はパスすべきです。そこで私は「信託報酬は0.3%以下」と基準値を設定させていただきました。

「純資産総額」について

「純資産総額」とは簡単にいうと「投資家から集めたお金」 と「そのお金で運用して増えた資産」を合計したものです。当然ですが人気のある商品の「純資産増額」はどんどん増えますから、「純資産総額」は投資家からの人気のバロメーターとも言えます。

ではどうして「純資産総額」が大事なのかというと、この金額が小さ過ぎると満足なポートフォリオを組むことができず、運用が難しくなるからです。そればかりか「純資産総額」の伸びが芳しくなかったり、解約が相次いで減少が続いたりすると「繰上償還」という運用が強制終了することすら考えられます。これではスムーズな長期の資産形成になりませんよね。

そうならないためには「純資産総額」がある程度ある商品を選ばなければなりません。「繰上償還」をしない安全ラインは、いろいろな考え方がありますが、管理人は「純資産総額50億円以上」と設定しました。「純資産総額」が50億円に満たない小さな商品は避けた方が賢明だと思います。

まとめ

「信託報酬」のわずかな違いをバカにしてはいけません。年率ではわずかな違いであっても、長期になればなるほど、また積み上げ金額が増えれば増えるほど大きな違いとなってきます。「信託報酬」は徹底的にこだわった方がいい数字です。

そしてもう一つの「純資産総額」についてですが、これは商品を選定する上で大いに参考になる数字です。商品を絞り込んだり比較したりする時は、この数字の大きい順に選べば間違いないでしょう。資産運用において「安定感」はやっぱり大事なのです。

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